銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】死霊館のシスター 呪いの秘密

映画日誌’23-45:死霊館のシスター 呪いの秘密

 

introduction:

大ヒットホラー「死霊館」シリーズの始まりの物語を描いた「死霊館のシスター」の続編。悪魔のシスター・ヴァラクの誕生を描く。『死霊館』の生みの親でもあるジェームズ・ワンが製作などを手掛け、『ラ・ヨローナ 泣く女』『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』のマイケル・チャベスがメガホンを取る。前作に続きタイッサ・ファーミガが主演し、ジョナ・ブロケ、ボニー・アーロンズらが続投するほか、『search/#サーチ2』などのストーム・リードらが出演。(2023年 アメリカ)

 

story:

1956年。フランスで起きた神父殺人事件をきっかけに世界に悪が蔓延する。特殊な能力を持つシスター・アイリーンは、教会の要請を受けて事件の調査を開始。神を信じないシスターデブラとともに、フランスの女子寄宿学校に赴く。人々の救済のため自らの命をかえりみずに祈りをささげるアイリーンは、ついにすべての呪いとポルターガイストの元凶である恐怖のシスター、ヴァラクと対峙するが…

 

review:

みんな大好き、死霊館ユニバースの新作が13日の金曜日に公開されたよ!なお、知らない人のために説明すると、超常現象研究家のエド&ロレイン・ウォーレン夫婦が遭遇した実際の心霊現象をベースに描いた『死霊館』シリーズに始まり、『アナベル』シリーズなどの派生を含めた作品群を「死霊館ユニバース」と呼ぶ。生みの親は、シリーズ一作目である『死霊館』と三作目の『死霊館 エンフィールド事件』の監督を務め、すべての製作に関わっているジェームズ・ワン。ちなみに、シリーズの中でもやっぱりワン君が監督したこの二本が面白いと思う。

オカルトホラー大好きっ子は当然一作目からフォローしており、今作も公開と同時に劇場に駆け込んだのであるが、ホラー映画を観過ぎて恐怖シーンでニヤニヤしてしまう病気にかかっており、怖かったかどうかもはや正常な判断ができない。が、多分怖くなかったんだと思われる。背筋が凍るような「得体の知れない怖さ」みたいなものはなく、ホラーとしては物足りなさ。退屈しないし、映画としてはそれなりによく出来ているが、悪魔祓いってアクション映画に近くなるんだよなぁ。

ちなみに悪魔にもいろいろとお作法がある。自分の存在をチラつかせて恐怖を植え付け心理的に弱らせる→ポルターガイスト現象で物理的に攻撃する→スキをついて憑依して命を奪い、魂を奪う、という手順である。聖人とか天使と悪魔の関係とか、キリスト教的概念も知っておくと分かりやすい。あと、油断して丸腰で観に行ったら、フレンチーて誰?ってなったよね。前作『死霊館のシスター』のストーリーをざっくりおさらいしてから観たほうがいいな。

そしてエンドロールでいつもの2人が出てきてくれてうれしかった。悪魔の正体はもういいから、エド&ロレイン・ウォーレン夫婦のエピソードを観たいのよ。と書きながら気付いたことは、その正体が分かれば分かるほど人智が及ばないような「得体の知れない怖さ」からかけ離れていくし、ラスボス倒しにいく冒険譚みたいになるので、心理的に怖くなくなっていくのは然もありなん・・・。結局、シスターアイリーンが無双するだけの映画なのであった。

 

trailer: