銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】死霊館のシスター

劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’18-63
 

うんちく

死霊館』シリーズのすべての恐怖の始まりを描いたホラー。実際の心霊現象を映画化したジェームズ・ワン監督『死霊館』は2013年に公開されると全世界で興行収入360億円を超えるヒットとなり、以降『死霊館 エンフィールド事件』などシリーズ化され累計1,350億円を超える大ヒットホラーシリーズとなっている。製作は『死霊館』の生みの親ジェームズ・ワン、監督は『ザ・ハロウ/浸蝕』のコリン・ハーディ。同シリーズで主演を務めたベラ・ファーミガの妹タイッサ・ファーミガ、『エイリアン:コヴェナント』のデミアン・ビチルが出演している。
 

あらすじ

1952年、ルーマニア修道院でひとりのシスターが自らの命を絶つ。バチカンは不可解な点が多い事件の真相を究明するため、悪魔祓いの経験が豊富なバーク神父と見習いシスターのアイリーンを修道院に派遣する。二人は調査を進めていくうちに、修道院に隠された恐るべき秘密とともに、かつてない恐怖“悪魔のシスター・ヴァラク”と対峙することに...
 

かんそう

こんにちは、オカルト大好きノストラダム子です。ホラー映画が大好物です。とりわけジェームズ・ワン監督の『死霊館』シリーズが大好きです。さて本作、『死霊館』シリーズに登場する”悪魔のシスター”の由来に迫るということで、期待に胸を膨らませて観に行った。ウォーレン夫妻が出てこないスピンオフ作品だが、悪魔のシスターと闘うシスター見習いのアイリーン、やたら馴染み深い顔だなと思ったら、本シリーズでロレイン・ウォーレンを演じているヴェラ・ファーミガの妹タイッサ・ファーミガだそうで、なるほど納得。死霊館にふさわしい、小鹿の瞳よ・・・。しかし残念なことに、本作のエピソードが全くの創作だからか、ジェームズ・ワンの監督作品ではないからか、これまでのシリーズ作品で味わった背筋が凍るようなゾクゾク感を感じない。実際に起きた心霊現象をベースに描かれてきた『死霊館』は、リアルに基づいた物語から浸み出す正体不明の”違和感”が、説明のつかない恐怖を増幅させているのだと改めて思ったのであった。そこに人間の理屈や作為的な何かは存在しない。得体が知れない、だから恐いのだ。その上で、恐怖映像の申し子ジェイムズ・ワンの緻密に仕込まれた高度な演出によって、質量ともに圧倒的な恐怖体験をさせられたい。そう思っている『死霊館』シリーズのファンは、やたらフィジカルで恐怖と闘い、音で怖がらせるアトラクション的演出に終始している今作について、物足りなさを感じたであろう。さらに私に至っては、音を立てながらポップコーンを食べ、怖がるフリでイチャイチャするカップルに挟まれての観賞という憂き目に遭い、まことに白々しい気持ちで作品を眺めていたため、もう何が何だか。身も蓋もないこと言っちゃうと、ノストラダム子的には、悪魔のシスターの正体は不明のままでよかった。2019年に公開予定のシリーズ新作に期待する。