銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】コーダ あいのうた

映画日誌’22-15:コーダ あいのうた
 

introduction:

耳が不自由な家族の中で、ただひとり耳が聞こえる少女が歌の才能を認められ、自分の夢と家族のあいだで葛藤する姿を描いたドラマ。2014年製作のフランス映画『エール!』のリメイク。TVシリーズ「ロック&キー」で注目を集めるエミリア・ジョーンズが主演し、『シング・ストリート 未来へのうた』などのフェルディア・ウォルシュ=ピーロが共演。『愛は静けさの中に』のオスカー女優マーリー・マトリン、トロイ・コッツァーら聴覚障害を持つ俳優たちが家族を演じる。第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門にノミネートされ、同3部門を受賞。トロイ・コッツァーは、男性のろう者の俳優で初のオスカー受賞者になった。(2021年 アメリカ)
 

story:

とある海辺の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聴こえる。幼い頃から家族の耳となり、通訳を務めてきた彼女は、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っている。新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブに入ったルビーは、顧問の音楽教師に歌の才能を見出される。名門音楽大学の受験を強く勧められるも、 ルビーの歌声が聞こえず娘の才能を信じられない両親から大反対されてしまう。悩んだルビーは夢よりも家族の助けを続けることを決意するが……。
 

review:

タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に育てられた子ども”」のことらしい。2014年製作のフランス映画『エール!』のリメイクである。『エール!』を観ていたので別に観なくてもいいやと思っていたが、今年のアカデミーで作品賞を獲ったから滑り込みで仕方なく観た。結果、フランス版のほうが10倍おもしろかった。
 
正直、作品賞を獲るほどの映画ではないのでは?全てが中途半端で、もう少し丁寧に作れたのでは??お下品な下ネタをフランスからそのままアメリカに持ってきたら何か違う。演出もコピペしてるけど少しずつ何かが違う。程よくドラマチックな脚本と、演出・構成のバランスが取れていたフランス版の良さがなくなっている。一言で言うと劣化版。
 
しかし高評価をつけている人も多いので、まあ、個人の趣味嗜好の問題かもしれない。でも今作を面白かった感動したって言ってる人は、フランス版も観てほしいよ。クライマックスでヒロインが歌うジョニ・ミッチェルのナンバーは名曲だし私も大好きだけどさ、オリジナルは歌詞の内容がヒロインの旅立ちとシンクロして感動が倍増したのよ、青春の光と影じゃないのよ、コレジャナイのよ・・・。おじさんからは以上だ・・・。
 

trailer: