銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ

映画日誌’22-47:ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ
 

introduction:

猫のイラストで人気を博したイギリスの画家ルイス・ウェインの生涯を描く伝記ドラマ。『パワー・オブ・ザ・ドッグ』などのベネディクト・カンバーバッチが主演を務め、『ファースト・マン』のクレア・フォイらが共演し、『女王陛下のお気に入り』のオリビア・コールマンがナレーションを担当。俳優としても活躍する日系英国人のウィル・シャープが監督を務めた。(2021年 イギリス)
 

story:

イギリスの上流階級に生まれ、父亡きあとイラストレーターとして働き一家を支えるルイス。やがて彼は妹の家庭教師エミリーと恋に落ち、身分違いだという周囲の大反対を押し切って彼女と結婚するが、まもなくエミリーは末期がんを宣告されてしまう。そんな中、庭に迷い込んだ子猫を保護してピーターと名付け、エミリーのために子猫の絵を描き始める。エミリーがこの世を去ったあとも、ルイスはピーターを心の友とし猛然と猫の絵を描き続け人気を博すが、次第に精神が不安定になっていき...
 

review:

19世紀末から20世紀にかけて、イギリスで高い人気を博した画家ルイス・ウェイン。生涯に渡って猫を描き続け、当時のイギリスでは鼠退治にしか使われず不吉なイメージをまとっていた猫の地位を高め、人間と共に暮らすペットとしての存在価値を持たせるほどの影響を及ぼした。また、夏目漱石の「吾輩は猫である」に登場する、絵葉書の作者だとも言われている。
 
病気の妻を慰めるために描き始めた猫の絵で大成功を収めるも、妻亡きあと次第に精神を病んで奇行が目立つようになり、統合失調症を抱えながら精神病院で猫の絵を描き続けたルイス・ウェインの数奇な半生を描いた本作。やや駆け足でアンビリーバボーか世界仰天ニュースかな?というくらいイッキ見感がある。中弛みせず退屈せずに見れたけど、もうすこし情緒的な部分があってもいいのではという気もする。
 
というか、夫婦愛(と猫)にフォーカスした邦題で優しく温かな愛の物語でございという面構えだが、原題は「The Electrical Life of Louis Wain」なので主にルイス・ウェインの電波きてた人生を描いている。いやほんと。ルイス・ウェインの日本国内知名度を考えるとまあ、夫婦愛推しのほうがわかりやすいんだろうけど、そこを期待して観るとちょっと肩透かしをくらうかも。個人的には『ジョジョ・ラビット』のタイカ・ワイティティが出てきてうれしかった。
 

trailer: