銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】RRR

映画日誌’22-50:RRR
 

introduction:

日本でも話題となり、ロングランヒットとなった『バーフバリ』シリーズなどのS・S・ラージャマウリ監督によるアクションエンタテインメント。イギリス植民地時代のインドを舞台に、2人の男の友情と闘いを豪快に描く。男たちを『バードシャー テルグの皇帝』などのN・T・ラーマ・ラオ・Jrとラージャマウリ監督作『マガディーラ 勇者転生』などのラーム・チャランが演じる。(2022年 インド)
 

story:

1920年、英国植民地時代のインド。英国軍にさらわれた村の幼い少女を救うため立ち上がったビームは、仲間とともにデリーに向かう。ある出来事をきっかけに、大義のため英国政府の警察となったラーマと運命的に出会い、お互いの素性を知らないまま無二の親友となる。やがてビームの本当の目的を知ることになったラーマは親友を投獄。それぞれの宿命に切り裂かれる2人は、友情か使命かの選択を迫られることに。
 

review:

数々の興行新記録を打ち立て、全世界に“バーフバリ旋風”を巻き起こしてインド映画の歴史を変えた映画史上最大の叙事詩にして、もはや神話ともいうべき伝説の2部作『バーフバリ 伝説誕生』と『バーフバリ 王の凱旋』。その創造神S.S.ラージャマウリ監督による全宇宙待望の最新作がついに完成した。インド映画史上最高の製作費7200万ドル(約97億円)をかけたその超大作の名は『RRR』。(公式サイトより)
 
これほど2022年の映画納めに相応しい作品が他にあろうか。というわけで暮れも押し迫った某日、満席の劇場に足を運んだ。タイトル「RRR」の読みは「アール・アール・アール」、「Rise(蜂起)」「Roar(咆哮)」「Revolt(反乱)」の頭文字に由来するそうだ。観る前からワクワクが止まらないが蓋を開けてみると、1920年が舞台ということで当たり前だが近代。そりゃ車とか汽車とか走ってるし、飛び道具も銃が登場。前作『バーフバリ』は紀元前が舞台なので世界観の違いにちょっとだけ戸惑う。
 
が、心配はご無用。最終的に神話を目撃するだけなので安心して身を任せるがよろしい。宇宙の法則や自然の摂理などもはや意味を持たない壮大なるケレン味によって、心身が浄化されることだろう。「観る薬膳」の効能はてきめんだし、「健康と引き換えに語彙力が下がる」のも不可抗力。あははすげぇなんだこれと思っている間に3時間が過ぎ去っているので、退屈やトイレの心配もご無用。神の誕生をその目に焼き付け、その神々しさにひれ伏すがよい。まあ、日本は実質インドってことでいいよね。たいへん清々しい映画納めであった。
 

trailer: