銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】コット、はじまりの夏

映画日誌’24-05:コット、はじまりの夏

introduction:

アイルランドの作家クレア・キーガンの小説「Foster」を原作に、1980年代のアイルランドを舞台に、9歳の少女が過ごす特別な夏休みを描いたヒューマンドラマ。子どもの視点や家族の絆を描くドキュメンタリー作品を数々手がけてきたコルム・バレードによる長編劇映画初監督作。第72回ベルリン国際映画祭で子どもが主役の映画を対象にした国際ジェネレーション部門でグランプリを受賞し、第95回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた。主演はこれが映画デビューとなるキャサリン・クリンチ。(2022年 アイルランド)

story:

1981年、アイルランドの田舎町。大家族の中でひとり静かに暮らす寡黙な少女コットは、夏休みを親戚夫婦キンセラ家のもとで過ごすことに。優しく迎え入れてくれたショーンとアイリーン夫妻の温かい愛情をたっぷりと受け、初めは戸惑っていたコットの心境にも変化が訪れる。緑豊かな農場で、いつしか本当の家族のようにかけがえのない時間を過ごしたコットは、これまで経験したことのなかった生きる喜びに包まれ、自分の居場所を見出していくが…

review:

シネマカリテがとにかく暑かった。汗が滲むほど暑かった。空席が多ければそうでもないけど、満席に近くてたくさん人が入ってるときに空調が全然ダメなの、あそこ。以前あまりの暑さに空調を調節してほしいとスタッフに訴えたことがあるけど、全然改善されない。武蔵野館の偉い人ー!お願いだから改善してー!もう何なら武蔵野興業株式会社に入社して改善したいくらいだ。

暖房が効きすぎた劇場で静謐な作品と対峙するとどうなるか。だんだんとボンヤリしてくる頭、襲ってくる睡魔。2回寝落ちしたやんけー!しかもコットとショーンが語り合う大事な場面でさ!というわけで、本来ならばまともな感想も書けないところなんだけど、ざっくり言うと、アイルランドの田舎町で貧乏の子だくさん家族でネグレスト気味に育った場面緘黙症っぽい少女が親戚の家で初めて人間扱いされて真の愛情と出会う話。

まあ、プロットとストーリーは予定調和。実の父母が絵に描いたような毒親で、やや使い古されたような芝居じみたセリフもあり、ショーンとアイリーンは「赤毛のアン」のマシューとマリラを足して2で割ったような既視感もあり。とはいえ、寝落ちした割にはぐっとくる部分もあったし、アイルランドの風景が美しかった。評判はいいみたいので、きっと佳い映画なんだろう。ちゃんとした状態でもう一回観たい気もするけど、他の方が書いた解説読んだら気が済んだ。なんで子どもは寝たふりするし、何かと走らされるんだろうねぇ・・・。

trailer: