銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】ベル・エポックでもう一度

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映画日誌’21-24:ベル・エポックでもう一度
 

introduction:

行ってみたい時代や大切な思い出を映画撮影セットで再現する体験型サービスで、忘れがたい過去と再会した男性をめぐる人間ドラマ。監督・脚本は『タイピスト!』などで俳優としても活躍するニコラ・ブドス。『隠された記憶』などのダニエル・オートゥイユが主演を務め、『8人の女たち』などのファニー・アルダン、『セザンヌと過ごした時間』などのギヨーム・カネ、『ザ・ゲーム  赤裸々な宴』などのドリヤ・ティリエらが共演する。フランスのセザール賞脚本賞など3部門を受賞した。(2019年 フランス)
 

story:

かつては売れっ子のイラストレーターだったヴィクトルは、デジタル化していく社会の変化についていけず、仕事を失い、妻のマリアンヌからも見放されてしまう。息子は気落ちする父を元気づけようと、友人アントワーヌが始めた”タイムトラベルサービス”をプレゼントする。それは映画制作の技術を応用し、客が戻りたい過去を再現する体験型のエンターテイメントサービスだった。「運命の女性と出会った1974年のリヨンに戻りたい」とリクエストしたヴィクトルは、希望通りセットの中で”運命の女性”と出会うが...
 

review:

19世紀末から第一次世界大戦勃発までのパリが繁栄した華やかな時代、いわゆる「ベル・エポック」にタイムトラベルする物語かと思ってチェックしてたら、全然ちゃうやん・・・。「ベル・エポック」に惹かれがちな私としては少々萎えたが、「2019年にフランス本国で公開するや当時全世界でスーパーヒットを記録していた『ジョーカー』から興行ランキングの首位を奪って初登場第1位を成し遂げた」というので観てみることに。
 
なるほど、誰にとっても「古き良き時代」を再体験できる”タイムトラベルサービス”という設定がユニークでおもしろい。もし自分で申し込むならどこにしようかなぁと妄想してしまうが、戻りたい過去なんてないし青春もクソだったというタイプなので特に入り用ではない。が、時代に取り残されて仕事も妻も失ってしまった主人公ヴィクトルは「運命の女性と出会った1974年のリヨン」に戻ることを希望する。
 
そしてあろうことか、「運命の女性」を演じている女優マルゴに恋しちゃうのである。くたびれ老け込んでいたヴィクトルが青春と仕事を取り戻して若返り、生き生きし始めるのはいいんだけど、監督と女優の恋模様が何となく余計だし、妻や息子の存在も中途半端。ユーモアもあり退屈しないが、登場人物の誰にも共感できずに終わってしまった・・・。マルゴ役の女優さんがそんなに魅力的じゃない(個人の感想です)のが原因かも。70年代のファッションや街並み、フレンチカルチャーが再現されているのは楽しかったよ。
 

trailer: