銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】ドント・ウォーリー・ダーリン

映画日誌’22-44:ドント・ウォーリー・ダーリン
 

introduction:

『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』で長編監督デビューを果たし、高い評価を得た俳優オリヴィア・ワイルドがメガホンを取ったユートピアスリラー。『ミッドサマー』などのフローレンス・ピューが主演し、その夫を『ダンケルク』で俳優として高い評価を受けたハリー・スタイルが演じる。『スター・トレック』シリーズなどのクリス・パイン、『エターナルズ』などのジェンマ・チャンの他、ワイルド監督自身も出演する。(2022年 アメリカ)
 

story:

完璧な生活が保証された理想の街ビクトリーで、愛する夫ジャックと幸せな日々を送るアリス。この街には「夫は働き、妻は専業主婦でなければならない」「街から勝手に出てはいけない」というルールが敷かれている。ある日彼女は、様子がおかしくなっていた隣人が見知らぬ男たちに連れ去られるのを目撃する。それ以降、身の周りで不可解な出来事が頻発し次第に精神が不安定になっていくアリスだったが、あることをきっかけにこの街に疑問を抱き始め...。
 

review:

リビア・ワイルドは前作『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』が好きだったし、魅力的なキャストに惹かれて劇場へ。完璧な生活が保証された理想の街に住み、ワン・ダイレクションのモテ男と平穏で幸せな日々を送る今回のフローレンス・ピューさん、『ミッドサマー』もそうだったけど、不穏なムードに煽られつつ踏んだり蹴ったりの憂き目に遭いながら逞しく生き抜く姿が似合う。ワン・ダイレクションもいい仕事してた。てか、クリス・パインの青い目!!を!!もっと!!うつさんか〜い・・・ウゥ
 
序盤は正体不明の不気味さに興味津々で前のめりだったけど、正直、中弛みした。ネタばらしが少々中途半端で消化不良。伏線も回収されないので、意味不明なシーンは意味不明なまま。地震と墜落は何だったのよ・・・。いや、わかるけど・・・。好きに考察してください系なので考察すると、この街の存在意義はおそらく、男性優位社会を望む男たちの最後のユートピアということだろう。
 
家を守る従順な「理想の妻」アリスは、この「理想の街」の歪みに気付いてしまう。違和感を感じれば感じるほど、その歪みが現象として現れる。ということだろう。これ以上はネタバレするので書かないが、設定自体はそれほど斬新ではないものの、切り口やテーマは興味深い。だが全体的にまとまりがなく、もっと面白くすることもできただろうにやや残念な出来。惜しい。でも続編が出たら観るかもな。
 

trailer: