銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】グレイテスト・ショーマン

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劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’18-14
グレイテスト・ショーマン』(2017年 アメリカ)
 

うんちく

19世紀半ばのアメリカで活躍し、ショービジネスの原点を築いた伝説の興行師P.T.バーナムの半生を描いたミュージカル。『レ・ミゼラブル』のヒュー・ジャックマンが主演を務め、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のミシェル・ウィリアムズ、『ヘアスプレー』のザック・エフロンらが共演。監督はVFX出身のマイケル・グレイシー。脚本は『シカゴ』でアカデミー賞にノミネートされたビル・コンドン。『ラ・ラ・ランド』で第89回アカデミー賞歌曲賞を受賞した、ベンジ・パセックとジャスティン・ポールが音楽を担当している。第75回ゴールデングローブ賞では作品賞、主演男優賞、主題歌賞にノミネートされ、「This is Me」が主題歌賞を獲得した。
 

あらすじ

貧しい仕立て屋の息子P.T.バーナムは、幼馴染の名家の令嬢チャリティと結婚し、彼女を幸せにするため挫折と失敗を繰り返しながら努力を重ねていた。そんなある日、オンリーワンの個性を持つ人々を集めたショーをヒットさせ、成功をつかむ。しかしフリークスたちに対する偏見から根強い反対派がおり、彼らからの妨害行為に悩まされていた。経済的に恵まれるようになっても社会的に認められないことに劣等感を抱いていたバーナムだったが、相棒フィリップの協力により、イギリスのヴィクトリア女王に謁見するチャンスに恵まれる。そこで美貌のオペラ歌手ジェニー・リンドと出会い、彼女のアメリカ公演を成功させれば、一流のプロモーターとして世間から一目置かれる存在になれると考えたバーナムは、各地でジェニーのショーを開催し、大成功を収めるが......
 

かんそう

バーナムはサーカスの礎を築いた人だ。のちにバーナムとベイリーが合併して生まれた「バーナム・アンド・ベイリー・サーカス」をリングリング兄弟が買収して「リングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカス」が生まれたんだそうだ。名前がどんどん長くなる。それはさておき、とても楽しめる映画であった。さすがヒュー・ジャックマン。『ラ・ラ・ランド』の良さが理解できなかったので、「ラ・ラ・ランドの製作チームが手掛けた」という謳い文句が逆効果になる人なのだが、脚本が『シカゴ』のビル・コンドで納得。クライマックスシーンを彩る高揚感ある音楽も素晴らしかった。きっと美化された物語であろうし、バーナムが”フリークス"と呼ばれていた人たちを見世物にして財を築いたということに対して倫理的な疑念が湧かない訳ではない。が、もし、本当にそこに家族のような信頼関係と愛があり、彼らが自分の存在価値を見出して幸せだったのだとしたら。そうだったのならいいなぁ、と思いながら、多幸感に包まれてフィナーレを迎えたのであった。ところでミシェル・ウィリアムズはコケティッシュな可愛らしさが魅力だと思うんだけど、それを封印して「良家のご令嬢」のムードを醸し出せる才能に感心しつつ、ミシェルファンとしては複雑な心境であった...。