銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】きっと、それは愛じゃない

映画日誌’23-56:きっと、それは愛じゃない

introduction:

『エリザベス』のシェカール・カプール監督が、『アバウト・タイム』『ブリジット・ジョーンズの日記』の製作陣とともに多文化が共存する街ロンドンを舞台に描いたラブストーリー。ドキュメンタリー監督の女性が、幼馴染の見合い結婚に密着する様子を描く。『シンデレラ』のリリー・ジェームズが主演し、テレビシリーズ『スター・トレックディスカバリー』のシャザド・ラティフ、オスカー女優エマ・トンプソンが共演する。(2022年 イギリス)

story:

ドキュメンタリー監督として活躍するゾーイは、久しぶりに再会した幼馴染の医師カズが見合い結婚をすると聞いて驚く。なぜ今の時代に親が選んだ相手と結婚するのか疑問を抱いた彼女は、カズの見合いから結婚までの軌跡を追うドキュメンタリーを制作することに。ゾーイ自身は運命の人を心待ちにしながら、ダメな男ばかりを好きになり失敗を繰り返していた。そんななか、条件の合う相手が見つかったカズは、両親も交えてオンラインでお見合いを決行。数日後、カズから婚約の報告を受けたゾーイは、自分の胸の内にある思いに気付いてしまう。

review:

師走だし、心が『ラブ・アクチュアリー』的な何かを求めていた。ほっこりするラブなストーリーが観たい。そんな折、『アバウト・タイム』『ブリジット・ジョーンズの日記』の製作陣が手掛けた本作が公開されるという。「すべての悩める現代人に贈る新たな愛と人生のガイドブックムービー」「”今”を生きるすべての人に贈る、この冬最高のラブストーリー」だと!?

で、若干ワクワクしながら劇場に潜り込んだのであるが、やっぱりさぁ、『ラブ・アクチュアリー』は名作だよね!!期待しすぎてごめん!!というのも、登場人物の誰にも感情移入できなかったのである。ゾーイ役のリリー・ジェームズはキュートだし、カズ役のシャザド・ラティフも絵に描いたようないい男だし、エマ・トンプソンみたいな大御所も出てるしで、キャラクターはいいんだけど、プロットが悪いわ・・・。

親が決めた相手と結婚して幸せになったカップル、本当に好きな人と引き裂かれたカップル、家族の反対を押し切り異教徒と結婚したカップル。宗教や家族の伝統を守ることの是非を改めて問う内容で、ダスティン・ホフマンの卒業よろしく花婿をさらうのか!?と思いきや、布石を置きながら割と先のほうまで展開していくので、ええ・・・と戸惑ったりする。そして当て馬の彼が気の毒すぎる。

旧英国領からの移民というと何となくインドのイメージが強かったが、パキスタンムスリムってところが新鮮だったかも。ムスリムが多いパキスタン人も歌い踊るんだな、とか。フレディ・マーキュリーパキスタン出身のイギリス人だったもんな、とか。イギリスで暮らすパキスタン家族の実態、文化風習に触れられるという点では興味深かったし、最後まで退屈することはなかったが、「新たな“恋愛と結婚と人生のトリセツ”」ではない。断じてない。

trailer: