或る映画凝屋の手記

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】LION/ライオン 25年目のただいま

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劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’17-23
『LION/ライオン 25年目のただいま』(2016年 オーストラリア)

うんちく

5歳の時にインドで迷子になり、養子としてオーストラリアで育った青年がGoogle Earthを駆使して25年ぶりに家を見つけ出したという実話を元に、『英国王のスピーチ』の製作陣が数奇な人生を辿った男の物語を描く。監督はTVシリーズやCM、短編などで高く評価されているガース・デイヴィス。主演は『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテル、本作でも多くの賞にノミネートされているオスカー女優のニコール・キッドマン、『ドラゴン・タトゥーの女』『キャロル』のルーニー・マーラ、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのデヴィッド・ウェンハムらが共演。

あらすじ

インドのスラム街で母親やきょうだいと暮している5歳のサルー。貧しい暮らしを支えるため仕事をしている兄クドゥと一緒に出掛けるが、ひとりで潜り込んだ列車が走り出してしまい、1000キロ以上離れた駅で迷子になってしまう。やがて彼はオーストラリアの実業家夫婦に養子として引き取られ、優しい養父母のもと成人するが、自分が幸せな生活を送るほど、インドにいる家族への想いは募っていく。ついに自分の家を探すことを決意したサルーは、わずかな記憶を辿り、Google Earth を頼りに捜索を始めるが…

かんそう

5歳の子供の記憶って、こんなにも鮮明なのかと驚いた。幼少時以降、インドでの記憶が上書きされていないからだろうか。しかし、身の危険を察知して人買いの手から逃れるなど非常に賢い子供だったのだろう。それにしても驚くべき実話である。実話だからこそ、一筋縄ではない痛みや苦しみがつきまとい、リアルである。なぜ養子を迎えたのか、サルーに伝えようとする養母スーの「私の苦しみなんてどうでもいいの」というセリフがとても印象的。2つの大きな母の愛が交差する瞬間が深い感動を呼ぶが、涙を煽るような演出は抑えられていて好感が持てる。5歳のサルーを演じた子役の才能に驚かされ、そしてニコール・キッドマンルーニー・マーラの美しさ、その瞳に全てを映し出す演技がとにかく素晴らしい。さらには『スラムドッグ$ミリオネア』や『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』では非常に純朴な印象だったデヴ・パテルが、いつのまにか艶っぽい男前になっていて、苦悩する様子が妙に色っぽいという副産物つきであった・・・