銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】レッド・スパロー

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劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’18-27
レッド・スパロー』(2017年 アメリカ)
 

うんちく

33年間、CIAエージェントとして活動したジェイソン・マシューズのベストセラー小説をもとに、将来を断たれたバレリーナが女スパイとなり暗躍するさまを描いたスパイサスペンス。『ウィンターズ・ボーン』『アメリカン・ハッスル』でアカデミー賞にノミネートされ、『世界にひとつのプレイブック』でアカデミー主演女優賞を受賞したジェニファー・ローレンスが主演、『ハンガー・ゲーム』シリーズ3作でジェニファー・ローレンスと組んだフランシス・ローレンスが監督を務める。『ラビング 愛という名前のふたり』などのジョエル・エドガートン、『君と歩く世界』などのマティアス・スーナールツのほか、ジェレミー・アイアンズシャーロット・ランプリングら実力派が共演する。
 

あらすじ

舞台上でのトラブルによって大怪我を負い、バレリーナとしての道を断たれ、ボリショイ・バレエ団での地位を失ったドミニカ・エゴロワ。病気の母親の治療費を工面するため、ロシア情報庁の幹部である叔父のワーニャの指示により、ロシア政府直属のスパイ養成機関に送られる。美貌を活かして標的を誘惑し、心理操作で情報を入手する「スパロー」として育てられた彼女は、瞬く間にその才能を発揮。ロシア情報庁の上層部に潜む、アメリカとの内通者を探る任務を任され、その鍵を握るCIA捜査官ネイト・ナッシュに近付くが...
 

かんそう

ロシアこわいよー。ワーニャおじさんを演じた俳優がプーチン似だよー。ハニートラップを仕掛けるロシアの美しき女スパイと言うと、アンナ・チャップマンを思い出す人も多いだろう。裏切った女スパイは殺されてバラバラにされるらしいが、FBIのおとり操作にあっさり身元が割れた三流スパイのチャップマンさんは、アメリカ国外追放処分を受けただけで、国に戻ったら英雄扱いだったそうだ。闇が深い。しかし、ジェニファー・ローレンス演じるドミニカは一流なので米露両国を手玉に取る。何を考えているのかさっぱり分からないミステリアスなジェニファー・ローレンスの美しさが正しく活用されており、観客すら手玉に取る。初披露されたフルヌードはその迫力によって男を萎えさせるという前代未聞の展開で、非常によい。拷問シーンはなかなかグロいので閲覧注意だが、アクションは少なめ。騙し合い、そして駆け引き、絶え間ない心理戦がスリリングで、次々と予想を裏切っていく先が読めない展開とテンポの良さで中弛みすることなく、長丁場も苦にならない。世間的には賛否両論のようだが、ジェニファー・ローレンス目当てのおじさんとしてはジェニファー・ローレンスを堪能できて楽しめたのであった。