銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】人生はシネマティック!

劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’17-68
人生はシネマティック!』(2016年 イギリス)
 

うんちく

第2次世界大戦中のイギリスを舞台に、映画製作に情熱を注ぐ人々の姿を描いたヒューマン・ドラマ。コピーライターの秘書が脚本家として活躍するさまを活写する。監督は『17歳の肖像』などのロネ・シェルフィ。『007/慰めの報酬』『アンコール!!』などのジェマ・アータ-トンが主演を務め、『あと1センチの恋』などのサム・クラフリン、『ラブ・アクチュアリー』などのビル・ナイほか、ジャック・ヒューストン、エディ・マーサンジェマ・アータートンジェイク・レイシーら、英国を代表する豪華なキャストが結集している。、
 

あらすじ

1940年、第二次世界大戦下のロンドン。カトリンはコピーライターの秘書として働いていたが、徴兵されたライターの代わりに書いた広告コピーが情報省映画局の特別顧問バックリーの目に留まる。イギリス政府は戦争に疲弊した国民を鼓舞するためのプロパガンダ映画を日夜製作しており、ダンケルクでドイツ軍の包囲から兵士を救出した双子姉妹の感動秘話を映画化する脚本チームにカトリンも加わることに。新しい職に就いたカトリンは、スペイン戦争で足を負傷し、空襲監視員を務めながら画家の夢を諦めきれずにいる夫エリスを支えるため、なんとしても映画の仕事を成功させることを決意するが…
 

かんそう

折しも大ヒットとなったクリストファー・ノーラン監督『ダンケルク』の反対側が舞台である。戦時下、「ダンケルクの戦い」を題材にしたプロバガンダ映画製作に奔走した人々の姿を描く。当然政府や軍部からの横やりも入るし、いろんな思惑が絡まり合い、アメリカに気を使って脚色されていくあたり、とても面白い。ダンケルク救出劇の反対側ではこんな呑気な暮らしがあったのかと思わせつつ、戦争の暗い影は街を覆い、絶え間ない空襲を受け人々は死と隣り合わせの毎日を送っている。重厚でシリアスなテーマながら、極めてシンプルなストーリーでユーモアとロマンスを散りばめ描かれており、クスリと笑わされ、ううむと唸らされる。でも、もう少しロマンチックでも良かったなぁ。そして相変わらず、ビル・ナイが素敵なの。ビル・ナイおじさんが素敵だったからもう他はどうでもいいの。今年のクリスマスも『ラブ・アクチュアリー』観るからねー!・・・って、話が逸れたが、「人生の一時間半を捧げてもいい映画を作れ」という台詞がとても印象的で、映画館でのラストシーンは感極まる。良作。