銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】カラオケ行こ!

映画日誌’24-08:カラオケ行こ!

introduction:

歌が上手くなりたいヤクザと変声期に悩む合唱部部長の男子中学生の友情を描いた、和山やまの人気漫画を綾野剛主演で実写映画化。オーディションを勝ち抜き、大役をつかんだ齋藤潤が共演。『味園ユニバース』の山下敦弘が監督を務め、テレビドラマ「アンナチュラル」「MIU404」の野木亜紀子が脚本を手がける。北村一輝加藤雅也チャンス大城橋本じゅん、坂井真紀、ヒコロヒーなどが出演する。(2024年 日本)

story:

合唱部部長の岡聡実は、突然見知らぬヤクザの成田狂児からカラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。組長が開催するカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける恐怖の罰ゲームを回避するため、何がなんでも歌を上達させなければならないという。狂児の勝負曲はX JAPAN「紅」。イヤイヤながら歌唱指導を引き受けた聡実だったが、いつしかカラオケを通して二人の関係が変化していく。

review:

原作のファンである。というか、和山やまのファンである。社内随一の変態紳士と名高い同僚(アラフォー男子)に薦められて初めて読んだのは「夢中さ、きみに」だったと思うが、それ以降、和山作品は全部買って読んだ。歌がうまくなりたいお調子者のヤクザと、生真面目で毒舌な中学生男子の交流を描いた「カラオケ行こ!」も大好きな作品なので、実写化すると聞いたときは心に嵐がおきた。一体誰が狂児を演れるというのよ・・・。

そして聡実くん役はオーディションで選ぶという。歌唱審査の課題曲は「紅」。変態紳士に「オーディションやるってよ!」ってDMしたら「いやいや、中3の役ですやん… ヤクザならまだしも…」という返事が返ってきて、狂児役だったら応募したのか!?と思ったりしつつ、「極道主夫の人(玉木宏)とか似合いそうですけどねぇ」なんて会話をしていたらまさかの綾野剛!!嫌いじゃないけどちょっとイメージと違うー!!

って、思ってたんだけどねぇ、奥さん。最近知り合いになったナチュラルボーン綾野剛推しの方から『カラオケ行こ!』を観るべきだと熱烈にお薦めされてねぇ。あんまり邦画観ない人だけど、「綾野剛だから大丈夫」という謎論理に押され、震える手でチケットを買い、劇場に足を運んだわけよ。いやー、ちゃんと狂児だったわ。私の狂児(誰)とはちょっと違うけど、狂児は綾野剛でいいわ。そして聡実くん役の子いいわ。

とにかく脚本がよかった。原作の世界観をそのままに少しだけドラマが脚色されているが、その塩梅がいい。そして「音」の要素が加わると面白みが増す。ヤクザのカラオケ競演楽しかったし、「紅」の歌詞の意味が回収されて原作より解像度が上がる。ただ、個人的には組長の「ペロ」が見たかったのと、カラオケ屋さんで聡実くんがソファに隠した名刺を見つけるエピソードが好きだったので、改変されてて無念。次は「ファミレス行こ!」が実写化されますようにー!

trailer: