銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】パターソン

f:id:sal0329:20170910211315p:plain

劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’17-49
『パターソン』(2016年 アメリカ)
 

うんちく

ブロークン・フラワーズ』『コーヒー&シガレッツ』などのジム・ジャームッシュが脚本を手掛け、監督を務めた人間ドラマ。詩を綴りながら何気無い日常を暮らす、バス運転手の7日間を切り取る。『リンカーン』『沈黙-サイレンス-』などのアダム・ドライバーが主演を務め、『チキンとプラム〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜』『EDEN/エデン』などのゴルシフテ・ファラハニ、『ミステリー・トレイン』でジャームッシュ作品に出演した永瀬正敏らが共演。第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。
 

あらすじ

ニュージャージー州パターソンに妻とともに暮らすバス運転手のパターソン。彼の朝は、隣に眠る妻のローラにキスをすることから始まる。ランチボックスをぶら下げて仕事に向かい、バス乗務をこなしながら、心に芽生えた言葉をノートに綴る。帰宅後は妻と夕食を取り、愛犬マーヴィンと夜の散歩に行き、バーに立ち寄ってビールを一杯だけ飲み、ローラの隣で眠りにつく。単調に繰り返される日常に潜む、美しくかけがえのない瞬間が、さまざまな人々との交流や、思いがけない出来事とともに描かれる7日間。
 

かんそう

きっと素敵な作品なのだろう。ジム・ジャームッシュは『ブロークン・フラワーズ』が好きだったのだけど、『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』で失望して以来の新作だったので、おうおう、どないやねん、ってな具合に観た。結果、嫌いじゃないんだけど、好みじゃなかった。何だろうなぁ、平たく言うと、作りものめいた演出の数々が、どこか押し付けがましいと感じてしまうのだ。市井の人々の日常を、わざとらしいほどに淡々とした口調で切り取るという点で、アキ・カウリスマキほど洗練されていないのだ。そして日本代表の例の俳優さんが、いかにも芝居じみててなかなかの違和感。あー、つやつやハードの頃、好きだったのになぁ(←古)。とは言え、完全に好みの問題なので、ジャームッシュ節が刺さる人にはガッチリハマるのではないかと思われる。犬のマーヴィンがかわいかった。