銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】ダーク・アンド・ウィケッド

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映画日誌’21-54:ダーク・アンド・ウィケッド
 

introduction:

父の最期を看取るため農場を営む生家に帰郷した姉弟を襲う怪異を描いたホラー。監督は『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』『ザ・モンスター』などのブライアン・ベルティノ。『アイリッシュマン』『最後の追跡』などのマリン・アイルランドと、『ディック・ロングはなぜ死んだのか?』のマイケル・アボット・Jrが主演する。シッチェス・カタロニア国際映画祭2020で最優秀女優賞と撮影賞を受賞した。(2020年 アメリカ)
 

story:

農場を営むテキサスの実家からそれぞれ離れて暮らしているルイーズとマイケルの姉弟は、父の病状が悪化したとの報せを聞き、久々に故郷を訪れる。父は母に見守られながらひっそりと最期を迎えようとしていた。ところが母は「来るなと言ったのに」と彼らを突き放し、二人は両親の要数がおかしいことに気付く。その夜、母は自ら首を吊って死亡。やがて姉弟は、想像を絶する恐怖に晒されていくことになる。
 

review:

観るか観るまいか散々迷って、観て後悔した。一言で言うと地味なB級ホラー。恐くないB級ホラーは笑えてナンボだが、しかし、笑えるところはない。お母ちゃんがキッチンで自分の指を包丁でズタズタにするのはびっくりしたけど、人間には骨というものがあってだな。ゴア描写にリアリティがない。終始不穏な雰囲気を醸し出すだけで冗長。まったりしたテンポで意味不明な描写が続くと、当たり前だけど睡魔が襲ってくるよ・・・羊が一匹・・・・羊が二匹・・・・・・画面のあれはヤギ・・・・・・・
 
って油断してると突然ジャンプスケアでビックリさせちゃうぜ!というホラー映画のお手本みたいな作品だが、ストーリーや演出に斬新な何かがあるわけでもない。キリスト教の知識が必要って書いてる人も見かけたけど、もう、それ以前の問題じゃない?って思ったりもする。が、確かに、十字架や讃美歌や信心深さが全く役に立たず、心の拠り所である聖職者の姿を借りて”邪悪なもの”が目の前に現れたら、キリスト教圏の皆さんには恐怖かもしれないなぁ。
 
何か禍々しいものに魅入られてしまっても寺社仏閣に駆け込めば何とかなる!と思ってる日本にお住まいの皆さんに例えると、力のある神主さんやお坊さんに「邪悪すぎて私たちの手に負えない」って言われて門前払いされる話はよく(?)聞くが、それどころか、彼らの姿をして家に来るのである。こええー。そんなのもうおしまいだろ・・・。自分の感覚に置き換えてみると、まあ、分からんでもないという気がしてくるが、それにしても恐くない。ルイーズとマイケルの姉弟が悪魔と対峙してるのを尻目に、睡魔と闘う映画であった。
 

trailer: