銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】ジェーン・ドウの解剖

f:id:sal0329:20170528221042p:plain

劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’17-27
ジェーン・ドウの解剖』(2016年 アメリカ)
 

うんちく

身元不明の女性の検死を行うことになった検死官の親子が、逃げ場のない空間で怪奇現象に襲われる様子を描いたホラー映画。松竹メディア事業部による企画“戦慄の<遺体安置所(モルグ)>ネクロテラー”第1弾として公開された。『トロール・ハンター』でカルト的な人気を博したアンドレ・ウーヴレダルが監督を務め、『28週後...』など数多くのホラーやスリラーを手掛けたセブ・バーカーが視覚効果を担当。出演は『X-MEN2』『ボーン・アイデンティティー』の名優ブライアン・コックスと『イントゥ・ザ・ワイルド』で一躍脚光を浴びたエミール・ハーシュ。全米最大のジェンル映画の祭典ファンタスティック・フェストでベスト・ホラー賞、シッチェス映画祭では審査員特別賞を受賞した。
 

あらすじ

バージニア州の田舎町。ある一家が惨殺された家の地下で、身元不明の女性の変死体が見つかる。“ジェーン・ドウ”と名付けられた彼女の検死を行うことになった検死官のトミーと息子オースティンだったが、メスを入れる度に、その遺体に隠された戦慄の事実が判明し、次々に不可解な現象が起こり始める。外では嵐が吹き荒れ、遺体安置所という閉ざされた空間で逃げ場のない恐怖が彼らに襲いかかろうとしていた…。
 

かんそう

実はホラー映画が大好きである。無類のオカルト好きである。目に見えない世界のことについて興味がある。それは子供の頃から不思議な体験をしてきたからであるが、それについてこれ以上言及するとイタい人間だと思われるので(イタい人間だけど)やめておこう。さて本作。題材はオーソドックスながら、切り口が斬新で非常に良い。ちなみにジェーン・ドウとは日本で言うところの「名無しの権兵衛」である。謎に包まれた身元不明の遺体を解剖しながら、紐解いていく過程がミステリーのような緊張感をもらたし、少しづつ積み上げられる違和感が言い様のない恐怖心を煽る。その構成は素晴らしいが、時折使い古されたチープなセリフまわしが残念。クライマックスに向かう展開でもたついた感もあり、少々詰めが甘い。もう少し、背筋が凍るようなオカルトの持つ不気味な「恐さ」を演出してくれたら最高だったのになぁ。とは言え、全体のクオリティは「良質なホラー」と呼ぶに値するものであった。