銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】スノーデン

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劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’17-6
『スノーデン』(2016年 アメリカ)

うんちく

2013年、一人のNSA職員によって、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的な監視プログラムの存在が暴かれ、世界を震撼させた史上最大の内部告発「スノーデン事件」の全貌に迫るサスペンスドラマ。社会派の名匠オリバー・ストーンが監督を務め、『(500)日のサマー』『ザ・ウォーク』などの実力派俳優ジョセフ・ゴードン=レヴィットエドワード・スノーデン氏を演じた。『きっと、星のせいじゃない。』のシャイリーン・ウッドリー、『ザ・ファイター』のメリッサ・レオ、『スター・トレック』シリーズのスポック役で知られるザカリー・クイント、『イン・ザ・ベッドルーム』『フィクサー』のトム・ウィルキンソンといった名優たちが脇を固め、ニコラス・ケイジがCIAの指導教官役で登場する。

あらすじ 

2013年6月、イギリスのガーディアン紙が報じたスクープによって世界に激震が走る。元CIAおよびNSAアメリカ国家安全保障局)職員エドワード・スノーデンによって、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的な監視プログラムの存在が暴露されたのだ。9.11後、愛国心から軍に志願入隊したスノーデンだったが、足に大怪我を負って除隊を余儀なくされる。失意のさなかCIAに採用された彼は、ずば抜けたコンピュータスキルを認められ、2007年にスイス・ジュネーヴへ派遣される。しかしそこで目の当たりにしたのは、アメリカ政府が対テロ諜報活動の名のもと、世界中のメール、チャット、SNSを監視し、膨大な情報を収集している実態だった...

かんそう

お察しの通りジョセフ・ゴードン=レヴィット君が目当てで、と言いたいところであるが、それもあるけどそれだけじゃない。だって社会派の旗手、オリバー・ストーン監督が米国内のメジャーな配給会社に総スカンを喰らいながら、困難を乗り越えて公開に漕ぎつけたんだからねっ!
アメリカ政府がテロリストだけでなく、民間企業や個人を監視し膨大な情報を収集していたという実態。日本を含む同盟国まで対象になっていた驚愕の事実。その恐るべき現実に愛国主義の若者が理想を打ち砕かれ、心理的に追い詰められていく姿を通して、我々も自覚ないまま私生活の全てを監視されている恐怖を味わうことになるのだ。スノーデンのパーソナリティにフォーカスし、これがノンフィクションであることを忘れさせつつも、ドキュメンタリーの手法を取り入れた生々しく臨場感あふれる映像が得も言われぬ緊迫感を生み出し、スノーデンの人生を懸けた決断の是非を問い掛けてくる。これはオリバー・ストーンが鳴らす警鐘である。