銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】ゴーストバスターズ/アフターライフ

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映画日誌’22-06:ゴーストバスターズ/アフターライフ
 

introduction:

超常現象を研究していた科学者たちが結成した〈ゴーストバスターズ〉がニューヨークの街をゴーストから救う活躍を描き、世界中で大ヒットを記録したSFコメディー『ゴーストバスターズ』の続編。過去2作品の監督を務めたアイヴァン・ライトマン監督の息子であり、『JUNO ジュノ』『マイレージ、マイライフ』などのジェイソン・ライトマンが監督を務めた。『gifted/ギフテッド』などのマッケナ・グレイス、『IT イット』シリーズなどのフィン・ウルフハード、『ゴーン・ガール』などのキャリー・クーン、『ナイトミュージアム』などのポール・ラッドらが出演する。(2021年 アメリカ)
 

story:

母や兄とともに、祖父が遺した田舎の古い屋敷に引っ越してきた12歳のフィービー。街では、30年間にわたり原因不明の地震が頻発していた。ある日、フィービーは地下室で祖父が遺した謎のハイテク装置の数々を見つけ、ゴーストを捕獲するための装置「プロトンパック」を発見する。やがて彼女は、科学者だった祖父イゴン・スペングラーが〈ゴーストバスターズ〉の一員として30年前にニューヨークをゴーストから救ったことを知るが、さらなる異変が街を襲い始め...
 

review:

え、ゴーストバスターズが嫌いな人なんているの・・・?みんな大好きだよね・・・?一作目が登場したのは、ここから遡ること37年の1984年。え、生まれてない・・・?全米年間興行収入No.1、日本でも年間配給収入No.1に輝く大ヒットとなり、レイ・パーカーJr.が歌う主題歌も大ヒット、「No Ghost」のマークが世の中に溢れかえった。本当に溢れかえったんだよ。1989年には続編となる『ゴーストバスターズ2』が公開され、80年代のカルチャーを牽引する伝説のSFアクションシリーズとなり、世界中で社会現象を巻き起こしたんだよ・・・。
 
超常現象を研究していた科学者ピーター、レイモンド、イゴンの3人+ウィンストンがニューヨークの街でゴーストたちと戦ってから30年が経ち、12歳の女の子が納屋でプロトン・パックを見つける。それは彼女の祖父が遺したものであり、彼女はイゴン・スペンクラー博士の孫娘だったのだ。このイメージをもとに、シリーズ生みの親であるアイヴァン・ライトマン監督の息子、ジェイソン・ライトマン監督が、新しいゴーストバスターズの物語を紡ぎ出した。彼は人間のドラマを描くことに長けた、インティペンデントのフィルムメーカーとして知られている。
 
オリジナル版へのリスペクトと愛がつまった、最高の映画だった。祖父から孫へ、父から息子へ渡されるバトン。父アイヴァンが創り出した「ゴーストバスターズ」のスピリットを息子ジェイソンが受け継ぎ、敬意をもって新しい世代の物語へと昇華させた。アウトサイダーたちが活躍する荒唐無稽な展開、ハイテクながらクラフト感あるお馴染みのガジェット、どこか愛嬌あるゴーストたち。すべてが愛おしく、新しいゴーストバスターズの進化を楽しむと同時に、一作目のDNAがガッチリと組み込まれていることに深い感動を覚える。エンドロールでもうれしい再会があるから、絶対に最後まで観てほしい。
 
スーパーマンにはなれないけど、ゴーストバスターズになら、なれる気がする。そう思わせてくれるのが最の高である。私もツナギを着てプロトンパックを背負いたいし、ゴーストバスターズに入りたい。劇場で「No Ghost」のキーホルダーを買って帰ったくらいには、ゴーストバスターズに入りたい。自宅でレイ・パーカーJr.になりきって「ゴーストバスターズ!」って叫ぶと、夫が「アレクササンバ!」って返してくるのがいささか迷惑だが、本当に本当に楽しい映画体験だった。——その数日後、アイヴァン・ライトマン監督の訃報。ご冥福をお祈りする。
 

trailer: