銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】ブレット・トレイン

映画日誌’22-33:ブレット・トレイン
 

introduction:

グラスホッパー」などで知られる伊坂幸太郎による「殺し屋シリーズ」の第2作「マリアビートル」を、『アトミック・ブロンド』『デッドプール2』デビッド・リーチ監督がブラッド・ピット主演でハリウッド映画化したクライムアクション。『キスから始まるものがたり』シリーズなどのジョーイ・キング、『キック・アス』『TENET テネット』などのアーロン・テイラー=ジョンソン、『エターナルズ』『ゴジラvsコング』などのブライアン・タイリー・ヘンリーのほか、真田広之マイケル・シャノンらが共演する。(2022年 アメリカ)
 

story:

世界一運の悪い殺し屋レディバグ。彼が新たに請けたミッションは、東京発の超高速列車“ゆかり号”でブリーフケースを盗み、次の駅で降りるという簡単な仕事のはずだった。ブリーフケースを手に入れることはできたが、疾走する車内で次から次へと殺し屋たちに命を狙われ、降車するタイミングを逃してしまう。列車はレディバグと殺し屋たちを乗せたまま、世界最大の犯罪組織のボス、ホワイト・デスが待ち受ける終着点・京都へ向かって加速していく。死闘を繰り広げる中、やがて殺し屋たちとの過去の因縁が浮かび上がり...
 

review:

ブレット・トレインとは新幹線のこと。日本の新幹線"ゆかり"号を舞台に、ブラッド・ピット演じる世界一運の悪い殺し屋が乗り合わせた殺し屋たちに命を狙われるストーリーだ。実に荒唐無稽、期待したほどではなかったが馬鹿馬鹿しくておもしろかった。実は伊坂幸太郎を読んだことがないのだが、彼が影響と受けているというクエンティン・タランティーノの風味もあり、なかなかの怪作。というかトンデモ映画。
 
そして敢えてリアリティを排してデザインされたであろうフィクションの「日本」が非現実世界に誘ってくれるのがよい。『ブレードランナー』で描かれた日本人街のようなサイバーパンク感、ヤクザ映画やカワイイ文化が散りばめられている。東京駅はそうじゃねぇーとツッコミつつ、東京2020パラリンピックのマスコットキャラクターソメイティにそっくりな「モモもん」の可愛くなさが妙にリアルだったりする。
 
伏線回収や謎が解かれていくようなカタルシスはないし、各キャラクターの掘り下げ方も足りないし賛否両論だが、ギャグ映画として肩の力を抜いて楽しんだらいいんじゃないだろうか。何ならもっとB級に振り切ってもいいくらいだ。肩の力が抜けたブラピが良いし、レモン&タンジェリンのコンビがいい味出してる。「キムラ」の日本語が棒読み過ぎて興醒めする一方で、ヤクザの親分たちの英語が堪能過ぎる。駅前留学でもしたのかな・・・。劇場で観た人は公式サイトのネタバレを読めばよろし。
 
ネタバレになるので細かいことは書けないが、『ロストシティ』を観た人にはご褒美があるよ。
 

trailer: