銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】gifted/ギフテッド

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劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’17-71
『gifted/ギフテッド』(2017年 アメリカ)
 

うんちく

センセーショナルなデビュー作『(500)日のサマー』で世界中から注目され、『アメイジングスパイダーマン』とその続編を監督したマーク・ウェブによるファミリードラマ。生後間もなく母親を亡くした7歳の姪を育てる独身男の姿と、その姪が持つ特別な才能によって揺らぎ始める日常を描く。主演は『キャプテン・アメリカ』『アベンジャーズ』シリーズのクリス・エヴァンスと、天才子役マッケナ・グレイス。『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』のオスカー女優、オクタヴィア・スペンサー、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のリンゼイ・ダンカンなどが脇を固める。映像は『ピアノ・レッスン』でアカデミー賞にノミネートされたスチュアート・ドライバーグ。

 

あらすじ

7歳になる姪のメアリーと、“歴史上一番すごい猫”のフレッドとともに、フロリダの小さな町で暮らしている独身のフランク。ささやかながら幸せな毎日を送っていたが、メアリーが学校に行き始めることでその静かな日常が揺らぎ始める。彼女は、生まれながら数学の天才的な才能の持ち主だった。ギフテッド教育を周囲に勧められるも、「普通に育てたい」というメアリーの母である亡き姉の遺志に従って、フランクはメアリーの英才教育を頑なに拒む。そこに縁を切ったはずのフランクの母親エブリンが現れ、2人を引き離そうと画策するが...
 

かんそう

主演がキャプテン・アメリカだし、設定はともかく普遍的なテーマなのでもっと表層的で凡庸な作品を想像していたら、いい意味で裏切られた。そうか、『(500)日のサマー』のマーク・ウェブ監督だもんな、と。だから観ようと思ってたのに忘れてた。ストーリー展開は王道だが、それぞれの葛藤や苦悩、後悔に揺れ動く心情が緻密に描かれており、さすがマーク・ウェブ。スパイダーマンは観てないが、きっと彼にはドラマを撮っていただいたほうが世界のためになると思う。『(500)日のサマー』のような凝った演出はないけれど、ごくシンプルなドラマが良い。日常の愛情にあふれた描写のひとつひとつ、陽だまりのような温かい映像が美しく、ほどよくユーモアをちりばめた脚本も素晴らしい。人の幸せとはなんぞや。泣かされるわ、こんなん。メアリーを演じているマッケンナ・グレイスがとにかく可愛いのだが、人を食ったようなユーモラスな表現もさることながら、小さな身体で感情を爆発させる演技に引き込まれた。インスタのフォロワー数は44万人越え…!! 恐ろしい子…!!