銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】ヴェノム

劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’18-73
『ヴェノム』(2018年 アメリカ)
 

うんちく

スパイダーマン最大の宿敵として知られるマーベル・コミックスのキャラクター「ヴェノム」を、『ゾンビランド』『L.A. ギャング ストーリー』のルーベン・フライシャー監督が映画化。地球外生命体シンビオートに寄生され、運命に翻弄されるジャーナリストの闘いを描く。主演は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『レヴェナント:蘇りし者』などのトム・ハーディ。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』などのミシェル・ウィリアムズらが共演している。本国公開3週目で全世界興収4億6,000万ドルを突破する大ヒットとなり、その後も快進撃を続けている。
 

あらすじ

サンフランシスコに暮らすジャーナリストのエディ・ブロックは、ライフ財団がホームレスを利用した人体実験で死者を出していることを知り、その真相を突き詰めようとする。その過程でライフ財団に侵入したエディは被験者と接触し、自身が地球外生命体「シンビオート」に寄生されてしまう。それ以来エディは、意思を持った生命体が自分に語りかける声が聞こえるようになる。「一つになれば、俺たちはなんだってできる」とシンビオートはエディの体を蝕み、一体化し、ヴェノムとして名乗りを上げる。ヴェノムはそのグロテスクな体で容赦なく人を襲い、そして喰らう。エディは自分自身をコントロールできなくなる危機感を覚える一方、少しずつその力に魅了されていくが...
 

かんそう

観ちゃった・・・。MARVEL作品に全くと言っていいほど食指が動かない私だが、トム・ハーディの最新主演作を観たい一心で、座席予約ページの「予約する」を震える指でクリックしたのである(照)。さて、そんなトム・ハーディ演じるエディ。正義感が強いと言えば聞こえは良いが、いまいち頭が弱いのか想像力が欠如しているのか、著しく危機管理能力に欠けており、まあまあ、しでかす。それやったらアカンやん、ってことを何度もしでかす。ホラー映画でそこ開けたらあかんやん!っていうドアを開けて最初に犠牲になる人物であり、いま私が最も自己責任論を問いたいジャーナリストであるが、エディは死なない。Eddie never dies.  何故なら俺たちヴェノムだから。"You're Eddie Brock. I'm the symbiote. Together we are Venom”なのである。馬鹿だからではない。が、エディもヴェノムも少々お馬鹿でかわいいのだ。畜生、こんな母性本能をくすぐるダークヒーローがおってたまるか。でも人間の頭を喰いちぎる姿にはお母さんドン引きよ・・・そして粘着質なクリーチャーが組んず解れつのバドルシーンは訳わからんほど迫力があってエキサイティング。バイクで街を疾走するイカれたカーチェイスあり、隣の席の外国人もワーオ!って言ってた。つか上映中に声出すなやって普通なら思うけど、もうどうでもいいよ。さすがMARVELよねって、他観てないんだった。スパイダーマンを観てないからこそかもしれないが、残虐でダークなアンチヒーローの物語に程よくユーモアが散りばめられた、ポップな仕上がりのバディムービーで楽しめた。様々な名作にインスパイアされて製作されたと思われる本作、ネオンが光るエキゾチックな街並み、エディが部屋の窓から街を見下ろすシーンは『ブレードランナー』を彷彿とさせる。最後のあれは『羊たちの沈黙』だよね、ね。続編があったらきっと観るけど、ミシェル・ウィリアムズに少々若作りさせすぎていて痛々しいので、次はもう少し大人の女性のファッションにしてあげて・・・。