銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】あしたは最高のはじまり

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劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’17-51
あしたは最高のはじまり』(2016年 フランス)
 

うんちく

最強のふたり』でその名を知られ、『ジュラシック・ワールド』や『インフェルノ』などのハリウッド大作にも起用されているオマール・シーが、ある日突然シングルファーザーとなり子育てに奮闘する遊び人を演じた人間ドラマ。名優ダニエル・ジェランを祖父に持ち、父は俳優でプロデューサーのグザヴィエ・ジェランという期待の若手ユーゴ・ジェランが監督を務め、音楽は『リトル・ミス・サンシャイン』や『フォックスキャッチャー』のロブ・シモンセン。これが映画初出演となるグロリア・コルストン、『人生、ブラボー!』のアントワーヌ・ベルトランらが脇を固める。
 

あらすじ

南仏コートダジュールの海辺で観光客相手にヨットの仕事をしながら、バカンスのような毎日を気楽に楽しんでいるサミュエル。ある日、かつて関係を持ったらしいクリスティンが突然姿を現し、サミュエルの実の娘だという生後3ヶ月の赤ん坊を託して去っていってしまう。困り果てたサミュエルはクリスティンを追ってロンドンに向かうが、言葉も通じない異国で立ち往生。途方に暮れているサミュエルを救ったのは、彼に一目惚れしたゲイのベルニーだった。
 

かんそう

オープニングのタイトルバックがなかなか小洒落ており、おお、と思ったんだけど、名作『スリーメン&ベビー』と『クレイマー、クレイマー』と何かを足して3で割ったような、既視感たっぷりの仕上がり。「何か」はネタバレになるので伏せるけど、足して3で割ってあるので全体的に薄味。奥行きがなく、エンディングもやっつけ感が否めない。そして何といっても、身勝手すぎる母親のキャラクターに共感出来なくてイライラするんだな。オマール・シーは素敵だったし、面白くなるはずの題材なのでちょっと残念。一緒に子育てするゲイの映像プロデューサー・ベルニーのキャラクターがナイスだったので、彼とのエピソードをもっと盛り込んでくれたらきっと楽しかった。演出と構成次第で秀作に成り得ただろうになぁ、と、南仏コートダジュールに憧れを抱きつつ、思ったのであった・・・。