銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】さよなら、僕のマンハッタン

f:id:sal0329:20180422214319p:plain

劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’18-26
さよなら、僕のマンハッタン』(2017年 アメリカ)
 

うんちく

(500)日のサマー』でデビューし、ハリウッド大作『アメイジングスパイダーマン』シリーズを経て、前作『gifted/ギフテッド』で家族の絆を描いたマーク・ウェブ監督が描く青春ドラマ。セントラル・パーク、ブルックリン美術館、パティ・スミスも働いた古書店などNYの名所の数々を舞台に、サイモン&ガーファンクルの名曲「The Only Living Boy In New York」にのせて、悩める青年トーマスの成長が描かれる。主演は『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の出演が決定している新鋭カラム・ターナー。『007』シリーズなどのピアース・ブロスナン、『キングスマン:ゴールデン・サークル』などのジェフ・ブリッジス、『アンダーワールド』シリーズなどのケイト・ベッキンセイルらが共演している。
 

あらすじ

大学卒業を機にアッパー・ウエストサイドにある親元を離れ、ロウワー・イーストサイドで一人暮らしを始めたトーマス。W.F.ジェラルドと名乗る風変わりな隣人と出会い、彼からさまざまなアドバイスを受けるようになる。ある日、思いを寄せる女友達のミミとナイトクラブに出掛けたトーマスは、父イーサンと愛人ジョハンナの密会現場に出くわしてしまう。父とジョハンナを引き離そうと躍起になるトーマスだったが、そうこうするうちに彼女の魅了されてしまい……
 

かんそう

ブラックリスト(映画化が実現していない優秀脚本リスト)”に選ばれ、『(500)日のサマー』より以前に脚本に惚れ込んだマーク・ウェブ監督が、10年以上映画化を熱望してきたんだそうだ。ほうほう、そりゃ面白いだろうと喜び勇んで観に行ったんだが、でもなんだかなー。ニューヨークの街並みや空気感を捉えた映像や音楽は素晴らしかったが、そりゃないぜっていうありえない展開にズッコケる起承転結。まだ大人でもない、だからと言って子供でもない、何者にもなっていない青年が、青春の息苦しさから脱却していく「大人への通過儀礼」を描くには、ちょっと拵えが過ぎている。すべてに作為的なものを感じて、名優たちの演技ですら妙に鼻につく。脚本がよくないのだろうか(元も子もない)。大きな声では言えないが、苦手なウディ・アレンと同じ匂いがしてアレルギーが出る。そしてマーク・ウェブ監督、制作を重ねるにつれ演出や構成が凡庸になってきてない?スパイダーマンで挫折したからだろうか。どうでもいいけどマンハッタンのアッパー・ウエストサイドに生まれ育った主人公トーマスがなんであんなに野暮ったいのよ。『(500)日のサマー』は素敵な映画だった。本当に素敵な映画だった・・・・・・