劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’17-3
『ネオン・デーモン』（2016年 アメリカ,フランス,デンマーク）
うんちく
『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン監督が、究極の美に取り憑かれた女性たちの欲望が渦巻くファッション業界の闇を、幻想的かつ絢爛たる映像で描き出した衝撃作。主演は『マレフィセント』などのエル・ファニング。『ハンガー・ゲーム』シリーズなどのジェナ・マローン、スーパーモデルのアビー･リー、『スピード』『マトリックス』シリーズのキアヌ・リーブスらが共演。「偽物ではなく、既成概念の枠を超えた高級ファッションの舞台を」という監督の意向に沿って、アルマーニやサンローラン、Marina Hoermansederなど一流ブランドの衣装が数多登場する。
あらすじ
誰もが目を奪われる圧倒的な美しさに恵まれた16歳のジェシーは、トップモデルになる夢を叶えるためジョージアの片田舎からロサンゼルスへとやってくる。モデル事務所に足を運ぶや、オーナーのロバータに才能を見抜かれ即座に契約が成立し、一流デザイナーやカメラマンの心を次々にとらえていく。そんなジェシーに激しい嫉妬を抱くライバルたちは、常軌を逸した復讐を仕掛け始めるが…
かんそう
絶賛の拍手喝采と非難の嵐が、本年度カンヌ国際映画祭の上映会場を真っ二つに引き裂いた、んだそうである。そうだろうなぁ。ちなみに、私は前者であった。鮮やかな色彩と強いコントラストの煌びやかな映像、構図、音楽、すべてが刺激的で美しく、かつ挑発的。それらを剥ぎ取ってしまえば、ストーリーなど殆ど無いと言っても過言ではない内容だが、それでも白昼夢のようなその世界に引き込まれて見惚れてしまう。「Beauty isn’t everything, it’s the only thing. （美しさがすべてではない、美しさこそが唯一のものだ）」という印象的なセリフがこの作品のすべてだろう。もし興味があるのなら、劇場のスクリーンで観たほうがいい。ちなみにどうでもいい情報としては、監督のニコラス・ウィンディング・レフンがちょっとだけ好みである...。ほんとどうでもいい...。
