銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】ルイの9番目の人生

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劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’18-06
ルイの9番目の人生』(2015年 カナダ,イギリス)
 

うんちく

イギリス人作家リズ・ジェンセンの世界的なベストセラー小説『ルイの九番目の命』をもとに、9年間で9度死にかけた少年の秘密を描く心理サスペンス。2008年に他界した『イングリッシュ・ペイシェント』のアカデミー賞監督アンソニー・ミンゲラが生前に映画化を熱望していた企画を、その遺志を継いだ息子のマックス・ミンゲラがプロデューサー兼脚本家として実現。監督は『ホーンズ 容疑者と告白の角』などのアレクサンドル・アジャ。オーディションで発掘されたエイダン・ロングワースが主人公を演じ、デヴィッド・クローネンバーグ監督のミューズとして知られるカナダ人女優サラ・ガドン、『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』のジェイミー・ドーナンTVシリーズブレイキング・バッド」でエミー賞を受賞したアーロン・ポールらが脇を固める。

 

あらすじ

ひどい難産の末にこの世に生を受けたルイ・ドラックスは、出生からわずか8年間で生死の境をさまよう大事故を8度経験してきた。そして9歳の誕生日、両親と一緒に海辺のピクニックに出掛け、断崖絶壁から転落するという9度目の悲劇に見舞われてしまう。全身に大怪我を負い、昏睡状態に陥ってしまったルイの担当医として、外部から招かれた著名な小児神経科医アラン・パスカル。この小さな命を救うため尽力する彼は、あまりにも多くの謎に包まれているルイの秘密を解き明かそうと独自の調査に乗り出すが……。
 

かんそう

「世界で最もハンサムな顔」1位のジェイミー・ドーナンと「世界で最も美しい顔」4位のサラ・ガドンである。そこに差し込まれるアーロン・ポールが気の毒。サスペンスというより、ブラックファンタジーである。以上である。ってくらい、何を書いてもネタバレになるやつですねん...。謎解きなので終盤まで中弛みすることなく楽しんで観ていられるが、何とはなしに拠り所がなく、全体に散漫な印象を受けた。義理の父であるピーターにもう少し焦点を絞っても良かったかもしれない。ってか、途中から展開が読めた。じっちゃんの名にかけなくても、謎は全部解けていたので、真実を知らされてもさほど衝撃的ではなかった。原作ではどう描かれていたのだろう。これは原作読んだほうが面白いんじゃないかな。という結論に達したりするが、どうやら原作では巧妙に張り巡らされた伏線が読者のミスリードを促し、非常によく描写されているらしい。アンソニー・ミンゲラ監督が撮ってくれていたらなぁ。そう思っている映画ファンも多いのではなかろうか。どうでもいいけど、タイトルは原作と同じ『ルイの九番目の命』のほうがよくない?