銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】ジュリーと恋と靴工場

劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’17-57
ジュリーと恋と靴工場』(2016年 フランス)
 

うんちく

閉鎖寸前の靴工場で働く女性職人たちが、労働者の権利を訴えて立ち上がる姿を描いたミュージカルコメディ。本作が長編デビューとなるポール・カロリコスチャ・テステュが監督を務める。細部までこだわった衣装や靴の色と配置、本物のダンサーを起用したミュージカルシーンが見どころ。『愛について、ある土曜日の面会室』『EDEN/エデン』のポーリーヌ・エチエンヌがヒロインを演じ、『メニルモンタン 2つの秋と3つの冬』などのオリヴィエ・シャントロー、『ゲンスブールと女たち』などのフランソワ・モレルが共演している。
 

あらすじ

25歳で職なし、金なし、彼氏なしのジュリー。就職難で悪戦苦闘の末、やっとのことでフランスのロマン市にある高級靴メーカーに採用される。しかし、工場は近代化の煽りを受け、閉鎖の危機に直面していた。リストラを恐れた靴職人の女たちは、抗議のためパリ本社に乗り込んでいく。ジュリーも騒動に巻き込まれ、あやうくクビになりかけてしまう。そして彼女たちは、「闘う女」と名づけられた赤い靴を復活させて危機を乗り切ろうとする。そんな中、ジュリーは自由を求めるトラック運転手サミーに惹かれていくが...
 

かんそう

ジュリー役のポーリーヌ・エチエンヌが可愛らしかった。そう思った。ただ、それだけ。
と言い切りたいところであるが、部屋とYシャツと私みたいなイケてない邦題も納得の軽い仕上がりである。何にも耳に残っていないので、ミュージカルとしてもかなり中途半端である。フランス版キンキー・ブーツの触れ込みを真に受けてはいけない。この作品に、「赤はセックスの色ー!!」と叫んだローラ姐さんは出て来ない。父親から受けついた負債だらけの靴工場を抱えて途方に暮れながら、ある日立ち上がって未来を切り開こうとしたチャーリーは出てこない。ヒロインの信念が全く伝わってこない、まさかのラストシーンにフランス人も開いた口が塞がらなかったことであろう・・・。