銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】search/サーチ

劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’18-71
search/サーチ』(2018年 アメリカ)
 

うんちく

Google社のプロジェクトで、Google Glassだけで撮影した2分半の短編映画『Seeds』を制作し、24時間で100万回以上YouTube再生された気鋭の新星アニーシュ・チャガンティによる初長編監督作品。失踪した娘を捜すため、娘のPCにログインして捜査する父親の姿を追うサスペンス。『ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR』の監督を務めたティムール・ベクマンベトフが製作に名を連ね、チャガンティ監督とともに脚本を執筆した。主演は『スター・トレック』シリーズなどのジョン・チョー。全編PCモニター上ですべてのストーリーが展開する。2018年のサンダンス映画で観客賞(NEXT部門)を受賞。
 

あらすじ

ある日、忽然と姿を消した16歳の女子高校生マーゴット。行方不明事件として捜査が始まるが、家出なのか誘拐なのか不明のまま、37時間が経過する。娘の無事を信じたい父デビッドは、マーゴットのPCにログインし、FacebookInstagramなどのSNSにアクセスを試みる。しかし、そこに映し出されたのは、いつも明るく活発だったマーゴットとは別人の、自分が知らない娘の姿だった...

 

かんそう

ITエンジニアのパパがさくさく娘のPCをいじって、FacebookやらInstagramやら勝手に開いて洗いざらい調べていくんだけど、その様子を眺めながら、万が一自分が行方不明になって親兄弟にGAFAのITジャイアントに吸い取られてる個人的なアレコレ全部見られたら死ぬ!もしくはすでに死んでたら二度死ぬ!って思ったので、心肺停止した瞬間に全てのアカウントが削除されるデバイスはよ。でも三途の川から生還できたときにちょっと寂しいから、息を吹き返したら復旧してほしい。閑話休題。予想を裏切る展開と言えば聞こえはいいが、注意力散漫な私にとっては、え、そっちなの?っていう、なんの伏線も脈略もない展開だった。明らかになっていく娘の秘密も、驚くほどのことでもない。せっかくサーチするなら、点と点をつないで伏線を張り巡らせ、最後に美しく回収してくれよぅ。と、一部の勝手に期待した観客を置き去りにしながら明後日の方向に展開していくさまは、ブレードランナーでインディジョーンズなハリソン・フォードサイバーテロと闘った『ファイヤーウォール(06)』という映画をほのぼのと思い出させる。あれから12年。ネタバレを避けるため、どのあたりが似ているのかについて言及するのは控えておく。ただ、すべてがPCモニター上だけで展開する手法はとても興味深く、楽しい映画体験だった。少々の無理やり感は否めないが、これまでにない、新しい表現に挑戦した姿勢を買う。そんなことより高校生の16歳のマーゴット役が30歳は無茶しすぎやで・・・キャバクラ嬢でもそこまではサバ読まないだろ・・・