銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】パリ、嘘つきな恋

 劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’19-34
『パリ、嘘つきな恋』(2018年 フランス)
 

うんちく

嘘から始まる恋の行方を描いたラブコメディ。プレイボーイのビジネスマンが、成り行きで嘘をついたまま、車椅子の美女と本気の恋に落ちるさまを描き、フランスで200万人を動員するヒットとなった。フランスの大人気コメディアン、フランク・デュボスクが、監督・脚本・主演と1人3役を務める。『グレート デイズ! -夢に挑んだ父と子-』などのアレクサンドラ・ラミー、『ベティ・ブルー』などのジェラール・ダルモンらが共演。
 

あらすじ

パリの大手シューズ代理店で支社長を務めるジョスランは、女性との関係に一時的な楽しさだけを求める軽薄なプレイボーイ。ある日、他界した母親の家に残されていた車椅子に腰かけていた彼は、偶然その場を訪ねてきた美しい女性ジュリーの気を引くため、とっさに車椅子で生活をしているフリをしてしまう。その嘘を信じたジュリーは、ジョスランに姉のフロランスを紹介する。フロランスは、事故によって車椅子での生活を余儀なくされながらも、バイオリニスト、車椅子テニスの選手として活躍していた。快活で魅力的な彼女に惹かれていくジョスランだったが...
 

かんそう

都会で独りサバイブする女の人生には、ときどきラブコメディが必要なのである。うっかり恋愛の始め方とかきれいさっぱり忘れるからね、あれどうするんだったっけって、自分が何合目にいるのかも分からなくなるからね。かと言って映画が役に立ったことはないけども。さて、今回はフランス映画である。フランスらしいエスプリの効いたような笑いが散りばめられており、つまらないことはないけど、それほど出来の良い映画でもない。ラブコメディはイギリスのほうが面白いな!と身も蓋もないことを言ってみたりしつつ、ほろ苦い大人のラブストーリーにちょっとホロっとしたりもした。やさしい嘘ってあるんだよなぁ。つい言い出せないこととかなぁ。でも嘘はよくない。あと、プレイボーイが本物の愛に出会って人生変わっちゃった系のプロットは使い古された感あるし、そもそも有り得ないから。女泣かせが更生したのを見たことがあるか。私はないぞ。私の愛で変わってくれるかも、って幻想を抱く女子が現れるから、やめなさい。女好きは不治の病なので、残念ながら治りません。要するに主人公ジョスランの女性に対する言動がなかなかクズなので、いまいち共感出来ず。観なくても人生における損失はありません。ジョスランの親友マックスを演じていたジェラール・ダルモンが、ジャン=ジャック・べネックス監督の『ベティ・ブルー』のエディだったと後で気付いて、おお、と思った瞬間が自分的一番の盛り上がりだったかな。