銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】ALONE/アローン

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劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’18-40

『ALONE/アローン』(2016年 アメリカ,スペイン,イタリア)
 

うんちく

『コードネームU.N.C.L.E.』や『君の名前で僕を呼んで』で世界的な人気を不動のものとしたアーミー・ハマーが、主演および製作総指揮に挑んだアクションスリラー。戦場の砂漠地帯で地雷を踏み、身動きが取れなくなった兵士の孤独な闘いを描く。脚本・監督は本作が長編デビューとなるクリエイターユニットのファビオ・レジナーロ&ファビオ・グアリョーネ。『アナベル 死霊館の人形』などのアナベル・ウォーリスらが共演。
 

あらすじ

テロリスト暗殺のミッションに失敗した米軍兵士のマイクは、相棒のトミーとともに砂漠地帯を退却中、3000万個以上の地雷が埋められた危険地帯に足を踏み入れてしまう。マイクの目の前でトミーが爆死した直後、彼自身も地雷を踏んでしまい身動きが取れなくなってしまう。通信手段を失い、水も食料もない状況で、救出部隊が到着するまでの52時間、昼は灼熱、夜は極寒という砂漠の過酷な自然環境に身も心も疲弊していく。心身が極限に達し、意識が混乱するなかで幼少期のトラウマに襲われ……
 

かんそう

アーミー・ハマーは身長195cmの美青年というばかりでなく、曽祖父は石油王という御曹司である。どんだけ前世で徳を積んだらそんな極上のシルバースプーンをくわえて生まれてくるのだよ。と、そんな戯言を言って時間稼ぎをしているが、映画がどうだったかという話もしなくてはなるまい。冒頭、アーミー・ハマーのおしゃべりな相棒が薄っぺらい台詞を並べ立てている様子を眺めているうちに、なんともシラけた冷ややかな気持ちになってしまった。そして時が経てば経つほど、思い返せば思い返すほど、1800円払って映画館で観なくてもよかった。アーミー・ハマーの無駄遣い(と言っても自分で製作総指揮してるから自業自得ではある)、無念である。広大な砂漠地帯で1人、地雷を踏んで身動きが取れないまま救出を待つ52時間、自分との闘い。極度の疲労で次第に幻覚を見るようになり、フラッシュバックする過去のトラウマに苦しめられ、夢想と現実との境界が曖昧になっていく。この設定とプロットは面白い。何なら面白くなるポテンシャルしかないはずなのに、凡庸で奥行きのない脚本、既視感たっぷりの使い古された手法による演出と構成、そしてまさかの展開が、観る人の心を「無」へと誘う脅威の作品。伝えようとしているメッセージが押し付けがましくて逆に分かってやるもんかという気分にさせるのってすごいなー(棒読み