銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング

劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’18-87
『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』(2018年 アメリカ)
 

うんちく

25年目のキス』『そんな彼なら捨てちゃえば?』などを手がけてきた脚本家コンビのアビー・コーンとマーク・シルバースタインの初監督作品。容姿に自信がないぽっちゃり女子が自信を得たことで輝きを増していく姿を描いたコメディドラマ。『エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』で脚本と主演を務め、ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞にノミネートされた人気コメディエンヌのエイミー・シューマーが主演。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』などのミシェル・ウィリアムズ、『アメリカン・ハッスル』などのエイドリアン・マルティネス、モデルのナオミ・キャンベル、エミリー・ラタコウスキーのほか、大御所ローレン・ハットンらが共演している。
 

あらすじ

高級コスメ会社リリー・ルクレアのオンライン部門に務めるレネー。ぽっちゃりした自分の容姿にコンプレックスがあり、美しい社員たちが務める華やかな本社に憧れながら、チャイナタウンの地下にあるオフィスでサエない毎日を過ごしていた。ある日、一念発起したレネーは自分を変えるためジムに通い始めるが、トレーニング中のハプニングで頭を強打し、気を失ってしまう。目覚めたとき、頭を打ったショックで自分が絶世の美女に変身したと思い込んだ彼女は、性格までポジティブに変わってしまい...
 

かんそう

隣の席で何の遠慮もなくバカ笑いする初老の女性に若干引きつつ、あれ私なんでこれ観ようと思ったんだっけ、と、そもそもな疑問が頭に浮かんできた。ああそうか、一年の終わりくらい、ただただ楽しい映画を観ようと思ったのであった。内容的には、『ブリジット・ジョーンズの日記』と『愛しのローズマリー』を足して2で割り、洗濯機につっこんで15分ほど脱水したような仕上がりである。ブリジット・ジョーンズなんかはやっぱり、なんだかんだ言ってよく出来てると思うのよ。配役も最高だし、脚本や演出も絶妙でお約束の大立ち回りも楽しいし、何よりおそらく、世界中の働く独身女子の内側にはそれぞれの小さなブリジットがいて、圧倒的な共感を集めるのだ。今でもときどきブリジットに会いたくなるもんねぇ・・・(なるんかい)。その点、本作は共感が少なかったかもしれない。設定にちょっと無理があるし、脚本もやや過剰で辟易する。が、観ているあいだは楽しめたし、誰かに愛されたければ、自分を愛することから始めるべきだという普遍的なメッセージが、自尊心を正しく持つことはとても大事だと教えてくれる。ミシェル・ウィリアムズやエイドリアン・マルティネス、ナオミ・キャンベルなど脇を固めるキャラクターもいい味出してた。そして草食系男子イーサンとの恋模様が微笑ましく、一年の映画生活を締め括るにふさわしいかどうかはともかく、レネーがイーサンを土俵際に追い込み上手投げを決めたパワーとノウハウを手に入れたいと思った映画納めであった。