銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】IT/イット“それ”が見えたら、終わり。

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劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’17-66
 

うんちく

スティーヴン・キング作品の中でも最も恐れられ、1990年にも映画化された小説「IT」を、ギレルモ・デル・トロが製作総指揮を務めた『MAMA』で注目を集めた新鋭アンディ・ムスキエティが映画化。平和な田舎町で相次ぎ発生した児童失踪事件と、人々を恐怖に陥れる正体不明の存在に立ち向かう子供たちの姿を描く。”It” は英語で鬼ごっこの鬼を意味する。『シンプル・シモン』『アトミック・ブロンド』などのビル・スカルスガルドが殺人ピエロ"ペニーワイズ"を演じるほか、『ヴィンセントが教えてくれたこと』などのジェイデン・リーバハーらが出演。
 

あらすじ

1989年夏のメイン州デリー。平和な田舎町で児童失踪事件が相次いでいた折、内気な少年ビルの弟も大雨の日に外出し、おびただしい血痕を残して姿を消してしまう。以来ビルは自分を責め、哀しみに暮れていた。そんなある日、突如姿を現した「それ=ピエロ姿のペニーワイズ」を目撃したビルは、その恐怖に取り憑かれてしまう。不良グループに目をつけられ、いじめの標的にされている”負け犬”グループの仲間たちも、それぞれペニーワイズに遭遇していた。その恐怖にまつわる秘密を共有することになったビルと仲間たちは、「それ」に立ち向かうことを決意するが…..。
 

かんそう

ホラー映画が一番好きというわけではないが、ホラー映画愛好家としては見逃せない1990年公開『IT』のリメイク。世界中を恐怖のどん底に陥れた殺人ピエロ再びということで、しかもペニーワイズ役はスカルスガルド家の美男ビル。メイクで一切素顔出てこないけど、左右の眼球が別々に動く眼力恐すぎるけど、ビル。どうでもいいけど邦題の「“それ”が見えたら、終わり。」要らなくない?さて、原作は言わずもがな安定のスティーヴン・キング師匠である。『キャリー』などの恐怖ものから『スタンド・バイ・ミー』『ショーシャンクの空に』といった感動ものまで、抜群の高映画化率。からの、2017年版『IT』は全然恐くなかった(えっ)。しかし映画としては良く出来ている。ペニーワイズの恐怖より以前に、学校や家庭で理不尽な暴力と支配に虐げられている子供たちの成長譚。切ない『スタンド・バイ・ミー』にホラー要素をまぶしたような仕上がりで、気付けば『グーニーズ』を見ているような気持ちで子供たちを応援していた。白いブリーフ姿で断崖に並んでる姿とかかわいすぎるだろ、特にぽっちゃり君。ホラー映画としては描写に深みが足りないが、なかなか見応えのある作品であった。