銀幕の愉楽

劇場で観た映画のことを中心に、適当に無責任に書いています。

【映画】ダンケルク

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劇場で観た映画を適当に紹介するシリーズ’17-52
ダンケルク』(2017年 イギリス,アメリカ,フランス)
 

うんちく

ダークナイト』『インセプション』『インターステラー』など圧倒的な映像表現と斬新な世界観で、強いインパクトを残してきたクリストファー・ノーランが、初めて実話に挑んだ戦争映画。軍艦はもとより民間の船舶も総動員し、史上最大の救出作戦と言われる「ダイナモ作戦」が展開された、第2次世界大戦のダンケルクの戦いを描く。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『レジェンド 狂気の美学』などのトム・ハーディ、『ダークナイト・ライジング』などのキリアン・マーフィ、『ブリッジ・オブ・スパイ』などのマーク・ライランス、『ヘンリー五世』などのケネス・ブラナー、「ワン・ダイレクション」のハリー・スタイルズらが出演。
 

あらすじ

1940年5月。ポーランドを侵攻し、そこから北フランスまで勢力を広げたドイツ軍によって、ドーバー海峡に面したランス北端ダンケルクに追い詰められた英仏連合軍40万人の兵士。背後は海。陸・空からは敵という絶体絶命の状況で、トミーら若き兵士たちは何とかして生き延びようとさまざまな策を講じる。一方、母国イギリスでは、民間船までもが動員された救出作戦が動き出し、民間船の船長ミスター・ドーソンは息子らと共に危険を顧みずダンケルクへ向かう。また、空軍パイロットのフィリアも、数において不利な状況ながら出撃。こうして、命をかけた史上最大の救出作戦が始まるが…..
 

かんそう

クリストファー・ノーランの新作と言えばもう否応無しに観るしかないのであるし、クリストファー・ノーラン作品と言えば、のトム・ハーディー御仁が出演なさっているのであるからして、観るだろそりゃ。頭のなかはトム・ハーディーのことでいっぱいだったので、はいはい救出劇ね、というくらいの予備知識でチャラチャラ観に行ったため、痛い目に遭った。うむ。まず、この作品には物語がない。背景が語られないので、チャーチルの決断やドイツ軍の動きがまったく伝わってこない。そんななか、壮絶な緊迫感と臨場感をもって予測不能な救出劇が展開していくのだ。そう、要するにノーラン監督は、40万の兵士たちと同じ状況下に観客を放り込み、彼らの生死をかけた恐怖と戦慄を体感させたのだ。この快作と対峙するにあたっては、そういう映画だ、ということを肝に銘じて、尚且つIMAXで観るべきだ、ということは理解した。そして、観ているあいだ私は、トム・ハーディー様のことをすっかり、忘れていたのであった・・・。